等ブログでは主に日本の同人誌をを紹介していますが、実はアメリカのコミックも昔から大好きです。
ご存知の読者もいるかもしれませんが、実は今、インディーズのアメコミが大変盛り上がっています!
なので、バットマンやスパイダーマンのようなスーパーヒーロー系コミックとは一味違う、創作系のアメコミの中から気に入った物ご紹介しやいと思います。
邦訳はインディーズだとかなり厳しいので、気になった方は秋葉原のコミックショップのブリスターコミックスさん、Comixologyなどで原書購入をご検討ください…
① The Spire
原作: Simon Spurrier 作画: Jeff Stokely カラー: Andre May 出版:BOOM!Studios (全8話予定)
荒れ果てた砂漠に聳え立つ、山のように積み重なった町、ザ・スパイア。そこには人間と、スキューと呼ばれる改造人間が一緒に暮らしている。
人間に見下されていながらも、姿を消したスキューの一族の最後の一人のシャーが保安部隊の隊長を務める。
スパイアの最高指導者マドリエン男爵の死。彼と違ってスキューとの共存を良く思わない娘のターヴィが政権を引き継ごうとした日に、スパイアの低層に残虐な殺人事件が起こる。
シャーが早急な解決を迫られるが、一つの殺人と思われた事件にはスパイアの存続自体をも脅かす秘密が隠れている…
とにかくザ・スパイアの世界観に圧倒されました!
高度な文明を匂わせる巨大な建造物の中で暮らしている人間とスキューはローテックで中世的とすら感じる暮らしをしているが、時々人間の持っている道具やスキューの能力から魔法のような力も漂ってきます。独特で不思議な言動、政治、日常がライターとアーティストの力によって本当にリアルに感じます。
Stokelyさんの作画はディテール豊富で人の表情も時にはリアルに、時にはかわいらしく描いています。何よりカラーとの相性が非常によく、バンドデシネのような世界観を描き出します。ファンタジー、そしてミステリーが好きな方におすすめです!8話完結の予定だし、邦訳の夢を見てもいいかも??
② Southern Cross
原作: Becky Cloonan 作画: Andy Belanger カラー: Lee Loughridge 出版:Image Comics
自主出版の作品が有名で今年からやたら大物の新作を発表中のCloonanさんと、今回作画を担当することになったBelangerさんによるSFホラー作品。アメコミには意外と珍しいジャンルです。
行方不明の姉の跡を辿って、土星の衛生タイタンに向かう貨物船に乗り込んだアレックス。彼女をそこで待っていたのは同じ姉のケースを調べているらしい怪しい探偵の女性、アレックスを口説こうとする怪しいクルーのおっさん、謎だらけの怪しい船長、そして不思議にも彼女を呼んでいるような気がする、貨物船の主力エンジンの核…
昔からCloonanさんのファンなので、彼女がアートを担当していないことをすごく残念に思ってました…が、↑ このページを見て気が変わりました。Belangerさんの人物(特に顔)は独特で読み手を選ぶ気がしますが、こういった宇宙船の内外、メカやディテールの描き方が本当に素晴らしいです。カラーのパレットもダークで寒色が多いため、アレックスにだんだんと押し寄せてくる恐怖がよりリアルに感じる気もします。
Southern Crossは現時点#5まで出版されていますが、アレックスの姉の行方と、アレックスに反応して暴走を始めた船のエンジンの正体がとても気になります。貨物宇宙船SFホラーと聞くとどうもEvent Horizonが思い浮かびますが、安心してください。こっちの方がよく出来てます。SFとホラー(幽霊系が近いかな?)好きな方におすすめです!
以上、インディーズアメコミのおすすめの2作でした。
書こうと思えば多分20作品ぐらいはいけると思いますので、時間が許す限りまた紹介したいと思います!