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お勧めアメコミ ⑤ Injection / Gotham Academy

ご無沙汰です。 インディーズ系アメコミ第5回、いきます!   ⑧ Injection 原作:Warren Ellis 作画: Declan Shalvey カラー: Jordie Bellaire 出版: Image Comics   応用科学が専門のキルブライド博士が謎めいた政府機関のエージェントに呼び出され案内された倉庫には、考古学者の調査により創りだされてしまった別次元の空間が広がっていた。 同時に、ITのスペシャリストのブリジッド・ロスがパソコンの前で変死体の男に名前を呼ばれ、ブリテン最古の道路の調査に出ていた民俗学者のロビン・モレルが政府関係者に超自然現象対策室「ブレイカーズ・ヤード」の責任者として勧誘された。 彼らが以前所属していた「文化二次汚染課」とは?そして当課の解散から頻繁に起こるようになった、超自然世界とテクノロジーの干渉の原因は? 伝説の曲者コミックライターウォレン・エリスと、イギリスのインディーズコミック界のスターアーティストでありながらデッドプールやムーンナイトも手がけたデクラン・シャルヴィーのブリティッシュ・コンビによる超自然現象ホラー・ミステリー作品。 エリスの独特な世界観が面白いです。 出てくる超自然現象もスプリガンの仕業だったり、かなりローカルなネタと描写が多く、舞台がイギリスであることを忘れさせない。超自然界がパソコンを通して接触を図ろうとしたり(そしてそれに彼らが創りだしたai「インジェクション」が深く関わってたり)した設定も面白いです。 流石はウォーレン作品、設定がすごく凝っています。 シャルヴィー氏のアートも、イギリスのインディーズコミックの匂いがぷんぷんするリアリティー、というかあまり飾らない人間臭さ?が感じられます。カラーの彩度がかなり抑えられてシリアスなトーンを強調します。 イギリスのスパイドラマ、ヘルボーイのような民俗学的な設定を活かしたホラー作品などが好きな方にオススメです。 イギリスのローカルな神話などの勉強にもなります! 1~5話は発売中で6話が1/13発売予定です。 Kindle版はこちらはこちら、第一章を収録したTPBも発売中です。   ⑨ Gotham Academy 原作: Becky Cloonan, Brenden Fletcher 作画: Karl Kerschl, Mingjue Helen Chen, 他 出版: DC Comics ゴッサム・シティ屈指の私立高校ゴッサム・アカデミーに入学したミア「マップス」ミゾグチ。彼女が学園生活に求めるのは憧れの先輩(&兄のカイルの元カノ)オリヴ・シルバーロックの友情と、とにかく冒険!数百年の歴史のあるアカデミーの建物は立ち入り禁止の部屋、秘密回路、お化けの噂だらけ。全ての解明が彼女の使命!(と、勝手に思っている) 一方、オリヴはある事件を起こし昏睡状態に落ちいた母親と自分の過去の謎に悩まされ、ゴッサム・シティの影に潜んでいるバットマンの因縁を抱えていた… 当ブログ初のメジャー作品ですね。ただし、DCコミックスの作品でありながらも、ヒーローはほとんど出てこない、どちらかと言うとヤング・アダルト文学に近い学園モノです。主人公はあくまでも子どもたちで、アメリカの学園モノに欠かせないいじめっこやギーク、いじめられる優等生などはバッチリおさえています。ただし、ゴッサム・シティだけあって、常にバットマンの影がかかっていて、入学式にブルース・ウェインが登壇したり、学園の七不思議の正体がバットマンのヴィランだったりします。こうやってゴッサム・シティの既存の設定を活かしているのは非常に上手い! そしてなんといってもアートが非常に可愛くて魅力的。2014年の来日の際、ジム・リーさんが「今最も注目しているアーティスト」の一人として名を上げるぐらいでカーシュルさんにより命を吹きこまれたマップス達はいきいきして、カートゥーンのように楽しく読めます。原作はバットガールの新シリーズをも創りだしたブレンデン・フレッチャーさんと、以前当ブログでも紹介したベッキー・クルーナンさんです。 感覚的にはハリーポッターに近いです(魔法は出てきません、超能力者は若干います)。グーニーズなどのような、子供が冒険する明るい作品が好きな方にオススメ!(なお、7号にダミアン・ウェイン出てきますので、お好きな方はぜひ!) 現在13話まで発売中です。TPBも第一章、第二章が発売中!邦訳はまだありませんが、これは流石に出しますよね…?? 気になる作品あったのでしょうか?ぜひ今までのオススメアメコミ紹介もご確認ください!